<橋>
京「血の暴走かっ!!」
庵「ごおおおおお〜〜〜。」
庵のあまりの変貌ぶりに焦りを隠せない京。そして、暴走した青い炎の男の目に映っているものは、
目の前で立ちすくむ赤い炎の男、草薙京だけであった。
庵「おあっ、おああああ〜〜!!」
獣のごとく京にとびかかる庵。
京「(は、はやいっ!)」
京の知っている庵とはまるで別人、いや人間とは別の生き物のようにはやく、
破壊力をもった庵の攻撃に京は何もできなかった。
京「く、くそお〜。」
庵「きょおおおおお〜〜〜〜〜〜〜。」
庵の全身の筋肉が激しく震え、その細胞の一つ一つが京への憎しみを宿してゆく。
両手を左右へと広げ、天を仰ぎのけぞる姿はまるで・・・・・・・
?「君、いいね〜。」
庵「!?」
?「君ならその足腰をいかして、私以上の橋になれる。そう、君こそ新たなる橋だ!」
突然現れた黒いひげと黒いからだをもち、輝々と光るチャンピオンベルトを腰に
締めている男はにっこりと笑った。
?「はっはっはっ、もうキャンセルは効かんよ。条件はゆっくりとインドで聞いてあげよう。」
庵を軽々と担ぎ上げ、去っていく男。
庵「きょおおお〜〜〜〜、きょおおおおお〜〜〜〜〜〜。」
(助けて〜〜〜〜、きょーーーーー。)
?「若いのう。あせるな、道は長いぞ!!」
そして男は庵を担いだままどこかへ行ってしまった。
京「・・・・・・・・ハ・・・ハハ、優勝だ、ワーイ、燃えたろっ。」
京は目の前の現実を認めることができなかった。まさに一瞬の出来事であった。
―――その後、京の前に庵が現れることはなかった。
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